「玉ねぎおじさん」に会いに千葉県白子町へ 突撃取材インタビュー

編集長のあしかです。

前回、千葉県白子町へ酒巻農園の「玉ねぎおじさん」に会いに
我らがTriggerWORKS切り込み隊長のトームと一緒に初めてのおつかい…
もとい、取材へ行ってきたよ。という記事を書きました。

詳しくはこちら。

ワタクシあしかは、「玉ねぎおじさん」こと、酒巻良行さんに突撃インタビューを敢行!
後編はその模様をお伝えします。

酒巻良行さんプロフィール

「玉ねぎおじさん」酒巻さん
酒巻農園代表「玉ねぎおじさん」酒巻良行さん

高校卒業後に農機具メーカーに就職、サービスマンとして10年近く務めます。
日々の業務にあたるなか、修理に携わることで「ものづくり」に興味を持つようになります。

そして、製造業の会社へ転職します。ちょうどそのころは、リーマンショックの時代。
酒巻さんが新しく勤めた会社も、言うに及ばず影響を受けて仕事が激減して休日が増えたのです。

会社に毎日行かないので、ヒマを持て余していた酒巻さん。

何かやることはないかなと考えていたある日、ふと、庭に目をやると
おじいさんが施していた「やりすぎ家庭農園」(酒巻さんいわく)が目に入り、
農作業を手伝うようになりました。これが「酒巻農園」の原点なのです。 

あしか
あしか

略して「やり園」だな!

トーム
トーム

その略し方アウトです。

農業にハマる

当時の「やりすぎ家庭農園」はキャベツがよく採れていて、家畜の飼料にしていたそうです。

おじいさんの「やりすぎ家庭農園」を手伝うなか、もともと凝り性の酒巻さんは農業について興味がどんどん湧いてきて、勉強をしているうちに野菜を作ることにハマっていきました。

そのような日々を過ごし、3年経った頃にはキャベツ、ナス、キュウリ、ハグラウリなどを栽培して無人販売をしていました。その中でも、ハグラウリは人気があったそうです。

運命とは気まぐれなもので、この頃には本業が忙しくなっていました。

たまねぎに着目

無人販売をしている4品種を育てるには、とても時間が足りない。

こう思った酒巻さんは、品目を絞って保存できる野菜を栽培しようと考えます。
その品種が「イモ」「タマネギ」だったのです。

タマネギ作りに着目したのは保存ができる野菜だったから

副業のはしり!?

酒巻さんがタマネギの栽培を始めた当時、農家さんはみんな手植え、手作業で収穫を行っていました。
しかし、農家の高齢化により酒巻さんは「機械化を推進すべきだ!」と考えるようになります。

農機具は田んぼを耕したり、稲穂を収穫するコンバインと呼ばれる大型機械が主力の商品で、
タマネギ畑を耕したり、実りを収穫したりする農機具は当時あまり存在していませんでした。

そうです、ここで酒巻さんの本業で培ってきたスキルが発揮されていくのです。

農機具メーカーで得た知識と、製造業の会社で身につけた技術を用いてゼロイチで、
タマネギ用の機械を作り、自作機を試行錯誤を重ねて実用できるレベルまで仕上げたのです。

酒巻さんは、本業の製造業と農家を両立させる、いわば副業のはしりとして働いていました。
趣味が講じて副業となるケースはよく聞く話かもしれません。

自分が作る農機具で栽培したタマネギのことをもっとよく知りたい、
タマネギ作りをいま以上に真剣に取り組みたい。酒巻さんの想いは加速するばかり。
とどまることを知りません。

そして、2015年に退職を決意したのです。副業のタマネギ農家が本業になったのでした。

酒巻農園の誕生

会社を退職して、名実ともに農家になった酒巻さん。

自宅の庭でおじいさんと一緒に始めた「やりすぎ家庭農園」では手狭になっていました。
そこで新たに土地を確保して農園を立ち上げることにしました。「酒巻農園」の誕生です。

新しく誕生した酒巻農園、実は私たちが訪れた現在の第2会場が創業の地と教えてくれました。
私は「第2会場」というくらいだから、もっと規模の大きな場所が他にあって、ここはサブの
農園地なんだろうな。せっかくだったら本拠地に足を運んでみたかった。

なんという失礼なことを思っていたのでしょうか。
いまでは、記念すべき出発点の第2会場で酒巻さんからお話しを聞けたことを、
もちろんありがたく思っています。

酒巻さん、サブの農園だなんて思ってしまってゴメンなさい。

酒巻農園第2会場
ここが酒巻農場の原点

1年目から商売は順調

晴れて個人事業主となった酒巻さん、タマネギにどっぷりと向き合う毎日を送ります。

そんな真剣に取り組む方です。当然、初年度から結果を出して稼ぎを得ます。
順調に物事が進んでいるように思えました。

2年目に転機が訪れる

しかし、2年目に試練が訪れます。
あんなに大好きで、勉強を重ねて育てていったタマネギたちが病気に冒されてしまいます。

酒巻さんは、すがる思いでいろいろな本を読んだり、インターネットで調べてみたり、
農家の先輩たちに伺いを立てたりしている中で、地域によってタマネギを植える規格が違うことを知るのです。

ナルナル菌との出会い

地域によって、育て方が違うことを知った酒巻さんにある出会いがありました。
千葉県市原市のとある会社が販売している「土耕菌(ナルナル菌)」です。

強力な土壌微生物群を培養し、植物成長促進効果のある微生物資材が誕生しました。
土耕菌ナルナルです。

土耕菌ナルナルのホームページ

ナルナル菌を畑に用いたところ、苗がみるみるうちに元気になっていったのです。
その様子を目の当たりにして、「農薬をたくさん使うのはどうなのだろう」と思うようになりました。

有機栽培を採用

タマネギの苗は元気を取り戻し、酒巻農園に明るい日々が戻ってきました。

3年目を迎えて、畑の一部を有機栽培にしようと思っていましたが、
ある方の勉強会に足を運び考え方が変わりました。

赤峰勝人さんが提唱する「循環農法」です。

著書「人参から宇宙へ」を読み、ガンやアトピーなど食べ物が原因で発症するのだということを
知った酒巻さんは、有機栽培に重きを置いたタマネギの栽培に着手し始めたのです。

そして、2018年酒巻農場4年目のシーズンには、慣行栽培と有機栽培の比率を入れ替えて、
有機栽培を8割、慣行栽培を2割とし、今年2019年はすべてのタマネギが有機栽培で作ったものとなりました。

酒巻農園の玉ねぎシリーズ

酒巻さんの使命

酒巻さんは、笑顔の中に時折見せる鋭い視線を私に向けてこのように語ってくれました。

「2025年問題、将来の医療が心配です」

1947~49年の「第1次ベビーブーム」で生まれた「団塊の世代」が、75歳以上となる2025年頃の日本で起こる様々な問題のこと。

(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」

「もしかしたら、私の取り組みは2025年までに間に合わないかもしれない。しかし、子どもたちが医療費に食われない社会にしたい。若い人たちが夢を持ってDNAを残せる社会にしたいんです。それが私の使命だと考えています。」

さらに酒巻さんはこのように続けます。

「中長期的に、地域の熱を上げたい、人の体温を上げたいですね。基礎体温が上がれば、気持ちも上がります。人のカラダは食べたもので形成されています。だから、食べ物は想いの循環で作らなくてはいけないと思っています。食べ物で人の想いがあたたかくなるものを届けていきたい。人を温め、地元を温めて元気な白子町、元気な千葉県にしたいのです。」

タマネギーランド構想

そして、屈託のない笑顔を見せながら、今後の構想を語ってくれました。

「今後の構想は、『外房タマネギーランド』のオープンです!」

え!?タマネギーランド? あの有名な魔法の国のパロディ!?

「アトラクションの乗り物は農機具です。現在『たまねぎーくんのキャラクターデザイン、コンペ受付中です!」

農機具乗車体験
農機具乗車体験はアトラクション!

どこまで本気で、どこまでが冗談なのだろうか。いや、酒巻さんはすべてが本気です。

「『食育』というコンセプトを基に、農機具から始まる農家育成を目指しています。
感覚としてはアルバイトのように気軽に体験してもらい農家の就労につなげていきたい」

タマネギ栽培を通じて、日本をよりよくしていきたい。未来ある子どもたちに託していきたい。
酒巻さんのあふれんばかりの強い想い、願いを感じざるを得ませんでした。

「玉ねぎおじさん」が持つこだわり

最後に、酒巻さんはこの言葉でインタビューを締めくくりました。

「作るタマネギはみんな自分の子どもなんです。どんな出来でも認めてあげています」

酒巻さんは「タマネギをつくるおじさん」ではなく、名実ともに「玉ねぎおじさん」と
呼ばれる由縁は、心の底からタマネギを愛してやまないこの心意気から来ているものだったのです。

私は、このような熱い魂を持つ酒巻さんに、これまで酒巻農園を営む中で、
一番嬉しかったことはなんですかと尋ねると、本日一番の笑顔でこのように答えてくれました。

「お客様がいらっしゃって『おいしかったよ』と言って、また会いに来てくれることですね」

終始笑顔でインタビューに答えてくださった酒巻さん

まとめ

千葉県白子町でタマネギ栽培を営む、「玉ねぎおじさん」こと、酒巻農場の酒巻良行さんを訪ねました。
トームから「熱い人なんです」と聞いていて思い描いていた、その予想をはるかに超える【激アツ】な人でした。

化学農薬や化学肥料を使わずに、有機物や微生物で作る食べ物。酒巻さんは、タマネギの他に、
お米、サツマイモ、落花生を季節に合わせて栽培、収穫しています。

秋は「サツマイモおじさん」の異名をもっているとか、いないとか。

唐突ですが、私の父も九州でタマネギ農家を営んでいまして。家には父から送られてきた
タマネギがたくさんあり、酒巻さんのタマネギを食べてみたいけど、どうしようかなと少し迷っていました。

正直に酒巻さんにその話を伝えると、通常のたまねぎより小さいサイズの
「ペコロス」という直径3〜4センチのプチオニオンを勧めてくださいました。

プチオニオンとも呼ばれる「ペコロス」

「サイズが小さいので切らずにそのまま、カレーに入れて食べたらおいしいですよ」と、
教えてもらいおみやげに買って帰った翌日、晩ごはんのカレーに入れて食べました。

めっちゃおいしかった!

酒巻さんに「おいしかったよ!」と伝えるために、また会いに行かなくちゃ。

この記事を書いた人

大城あしか

TriggerWORKS:メディア編集長
人と人をつなぐ空間運営に携わるパラレルワーカー